2025.09.17
まもなく秋分の日、お彼岸にお供えする「おはぎ」と「ぼたもち」の違いとは?

春分の日を挟んだ前後3日間を春の「お彼岸」、そして秋分の日を挟んだ前後3日間を秋の「お彼岸」と呼びますが、今週末9月20日からの期間に、お墓参りをされる方もいらっしゃるかと思います。その際のお供え物としても選ばれる「おはぎ」と「ぼたもち」についてのお話です。
さて、見た目はとても似ている、「おはぎ」と「ぼたもち」。じつはこの2つ、基本的には同じお餅の和菓子で、作るまたは食べる季節に違いがありました。
一般的に、ぼたもちは春の花の牡丹(ぼたん)、おはぎは秋の花の萩(はぎ)が由来になっていて、それぞれ春と秋のお彼岸に食べられるものを指しますが、その形状やあんこの種類で呼び方を分けることもできると言います。
ところで、季節で呼び方が変わるとなると、夏と冬はどうなるのでしょう。なんとその2つの季節にも別名は存在し、夏は「夜船(よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」と呼ぶそうです。どちらも「つき知らず」という言葉遊びに由来しており、おはぎをつくるときには、お餅をつくときの音が出ないため、いつ「ついた」のかがわからないことを、夜は暗くて船がいつ「着いた」かわからない「夜船」になぞらえたとか。また、北にある窓からは「月」がみえないことから「月知らず」となったなど。春夏秋冬によって呼び方を変えることができるというのは驚きです。
「半ごろしとみなごろし」
昔話で読んだことのあるお話だったか、テレビで見たのかはうろ覚えですが、こんなほっこりする笑い話がありました。
旅人がひと晩泊めてもらえるようにお願いした家で、疲れのあまり寝入ってしまいふと目覚めるととなりの部屋から聞こえてきた会話が、
「明日の朝は、みなごろしにしようか、半ごろしにしようか」
「みなごろしは大変だから、半ごろしにしようか」
旅人はびっくりして、家を飛び出して隣家に駆け込み助けを求めるけれど、実際は疲れている旅人をもてなすために、「みなごろし」はもち米をしっかりついて、お米の粒が残らないお餅の状態にしてからおはぎをつくることで、「半ごろし」はもち米を半分つぶしておはぎをつくろうとしていたのだったというお話。
このお話では、どちらもおはぎとなっていますが、地域によっては形や材料となるお米の種類(もち米やうるち米)、または、つぶあんの場合が「おはぎ」、こしあんが「ぼたもち」とされるなどの違いもあるようです。さらに、お米ではなく、あんこのつぶし方によって、粒あんは「半殺し」、こしあんを「本殺し」と呼ぶ地域もあるなど、とても興味深いですね。
さて、すっかりおはぎとぼたもちの話題に終始してしまいましたが、9月後半の小樽は少しずつ朝晩が冷え込むようになってきており、本日は最高気温も24度と観光にはちょうど良い気温です。一方で、日中との寒暖差が大きい日もありますので、旅行でお越しの際は、体温調節可能な服装がおすすめです。
オルゴール堂本館1Fメインディスプレイも秋バージョンにリニューアルしていますのでオルゴールの音色とともに、ぜひお楽しみください。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。